33歳女性。休暇を利用してスリーマのインリンガに1週間の短期留学。
33歳(女性)
職業:大学職員(休暇を利用して行ったので現職です)
INLINGUA School of Languages
2003年3月22日−30日
英語+レジャー1週間コース
授業料(ホームステイ2食付・教材費・送迎代込み)約3万円
小遣い:約2万円
エアー:約12万円
10日の有給休暇を利用するため、殆ど観光気分でいけるところを選びました。
アイルランドも考えたが、時期が3月だったので比較的暖かいと思われるマルタを選びました。
短期滞在者用のプランがあったから。今回は真剣に英語を勉強するというよりも、学校は友達ができればいいなと思ったこと、そしてホームステイをしてマルタの人々の生活を垣間見ることができればいいと思っていたので、街中に位置して、便利そうなこの学校を選びました。
学校について:
まず日本人が全くいませんでした(少なくともわたしの滞在中、学校で顔を会わせることはありませんでした)。欧州各国から集まっていましたが、8割以上がドイツ人ではないかと思うほどドイツ人率が多かったです。Inlinguaはヨーロッパではかなりメジャーな語学学校らしく、教材などはかなりしっかりしていると感じました。1週間の滞在でしたがコピーではなく、ちゃんとしたテキストを渡されますし、これは帰国後も使えたので便利だと思います。
学校の先生は、マルタのかたで、最初はイタリア語のような発音にかなり戸惑いました。わたしのクラスの先生は、マルタのおばちゃんがパートでやっていました(たぶん資格は持っていると思う)。とても丁寧で、誰かがわからないというととことん説明してくれましたが、そのペースが嫌いといってクラスを代わった生徒もいました。わたしのクラスは4名の生徒全て女性で、ドイツ・トルコ・カザフスタン・日本(わたし)とバラエティにとんでいて面白かったです。授業は大手の語学学校らしく、きちんとカリキュラムが組まれていましたが、長く滞在するとそのパターンに飽きてくると、3ヶ月滞在しているクラスメートは言っていました。
アクティビティは皆でどこかへ一緒に行くというよりも、教室に告知が貼ってあるので、希望者が勝手に参加するという感じです。イメージとしては、日本の大手英会話教室に似ている気がしました。大きな学校なので生徒同士のつながりもそんなに強いとは感じませんでしたし、細かく仕切られている教室の感じも似ています。もちろん雑居ビルに入っているわけではないので、教室自体は日本のそれよりもゆとりがあり遥かにきれいですが・・・また事務局はあくまでも「事務的」で、あまりフレンドリーな感じではありません。こちらからリクエストしないと何も出てこないので、引っ込み思案の人や遠慮がちな人は、なかなか大変だと思います。わたしはパッケージコースだったにも関わらず、言わないとパッケージに含まれているはずの「地図や割引券」などが出てきませんでした(帰国後に気付いたので言いませんでしたが、料金に含まれているはずの「Tシャツ」はとうとう貰えませんでした・・・)。
ロケーションは非常にいいです。スリーマのど真ん中にありますし、マルタ各地に行くバスは学校の近くから発着します。学校が終わってから、各地へ遊びに行くのには全く問題ありません。また学校が経営しているネットカフェが隣接しているので、これは便利といえるでしょう。
先にも書きましたが、欧州各国のひとが大多数です。またヴァカンスを利用しているひとが多いので、年齢層も高めだと思いました(わたしは33ですが、同年代のひとが多く、楽しかったですよ)。
ステイ先について:
3月とはいえ、マルタがあんなに寒いとは思いませんでした。殆ど東京の気温と変わらないといっても過言ではありません。日中、陽がさせばさすがに日光は強いのですが、夜の寒さには閉口しました。しかも日本と違い、一般家庭にヒーターはありません。さらにわたしの部屋は地下にあったので、陽はささないし底冷えは相当なもので、「これだったらアイルランドへ行ったほうがヒーターがあるだけましだったかも」と真剣に後悔しました。知り合ったドイツ人たちは、学校や家庭に文句を言い早々に暖房完備のホテルへと移っていました。春に行かれるかたは、ウールのセーターやストールなど防寒着を持参されることをお薦めします。
またステイ先にはわたしのほか、中国人女性1名(わたしと部屋をシェア)、ドイツ人女性2名、ロシア人男性2名がステイしており、その多さにはびっくりしました。確かに食卓などでは大勢は楽しいのですが、彼らはドイツ語で話し、ロシア人の一人はなまじ日本語ができたためわたしと日本語で話をしたがり、ファミリーはマルタ語で会話をしていたので、全く英語の出る幕はありませんでした。また、ファミリーは居間などにわたしたちが行くことを好まなかったので、テレビや新聞を見ることもできませんでした(そもそもテレビも新聞もイタリア語だったので、見ても仕方がなかったかもしれませんが)。この状況はInlinguaのスタッフにも伝えたのですが、1週間状況が変化することはありませんでした(最終日に事務局スタッフから「ごめんなさいね。ファミリーには言ったのだけど」と言われたのみ)。
また同居人が多いため、誰かが帰ってきていないのにそれが分からず、内側から二重ロックを掛けられてしまい鍵を持っていたにも関わらず、夜中に締め出しをくらったことが2度ありました(一度は誰にも気付いてもらえず、仕方なくタクシーでスリーマまで戻って、安ホテルに宿泊しました。翌朝ファミリーに抗議をし、なんとかホテル代は返してもらいました)。
それから食事ですが、わたしのホストマザーはとにかく油分・脂肪分が嫌いで、全ての料理が「蒸す・煮る」で済まされていました。肉も魚も1週間の滞在中1度ずつしか出ず、ステイ前は「オリーブオイルたっぷりの美味しいイタリア料理を毎日いただけかもしれない!」と勝手に期待していったのですが、無残にもその夢は破れました。食事の量も充分とは言えず、わたしが部屋をシェアしていた中国人の女の子は、夜中にお腹がすくので自分の部屋に簡易コンロを持ち込んで料理をしており、その件でホストマザーと対立していました。わたしは彼女のお陰で夜中に暖かい中国茶が飲めるのでありがたかったのですが。
友人と出かけない夜は、することがないので8時に寝るなど、確かにゆっくりできたのはよかったですがファミリーには残念ながら恵まれたとは言えませんでした。
マルタの人の印象は、言われているほど人懐こく親切な感じは受けませんでした(バスの運転手さんなど、観光業に携わっているひとはまだいいのですが)。
マルタへ到着した週末は、一人でイムディーナへ遊びに行きました。また帰国前の週末は、学校主催でゴゾ島へ行くツアーがあったので、それに参加しました。参加者はわたしと数名のスイス人、フランス人を除きここでも全てドイツ人。一緒に参加したドイツ人の友人も、最初は「全く嫌になる」とぼやいていましたが、最後はずっとドイツ語でしゃべっていたので正直ちょっと寂しい思いをしました。バスの中も殆どドイツ語だったので、何度か「英語で喋ってほしい」と抗議したのですが全く取り合ってもらえず、仕方ないのでもう一方のフランス人がいるバスに乗り換えたりしていました。
全般的に言えばバス網が発達しているので、どこへ行くにも問題はありません。バスの路線図のようなしっかりしたものがないので、日本のガイドブックがあると便利だと思います(わたしはガイドブックを持っていかず、ドイツ人の友人にドイツのガイドブックを見せてもらって観光しました。かなり後悔しています)。
良かったことは、とにかく日本人と会わなかったので英語付けの毎日を送れたこと。イタリアまでは日本人ばかりだったのに、不思議なほどマルタでは会いませんでした。団体旅行でマルタに来ていた高齢者のツアーを発見し、わざわざ声を掛けに行ったほど、日本語とは無縁でした。また言われている通り、治安面は問題ありませんでした。ホームレスも見かけませんでしたし、全てにおいて安定しているような印象を受けました。
困ったことはいろいろありますが、何といっても寒かったこと!綿素材のものしか持っていかなかったため風邪を引いて帰りました。またファミリーが多かったため、シャワーが途中で水になってしまうのが辛かったです(そのため、朝は誰よりも早く起きてシャワーを浴びました)。
またファミリーと学校が遠く、バスで20分以上(しかもファミリー宅から最寄のバス停までも20分ほど歩かなくてはなりません)、それを逃すと45分歩かなくてはなりませんでした。わたしは歩くのが好きなのでよかったのですが、歩くのが嫌いなひとには、高低差のあるマルタの街はきついかもしれません。履きなれた靴で行くのがいいでしょう。
バカンス半分で行くには最適だと思います。ただ英語を真剣に勉強するのであれば、学校の選択を慎重にされたほうがいいのではないでしょうか?Inlinguaに関していえば、日本人だからといって臆することなく、主張すべきところは主張し要求もきちんと相手に伝えないと楽しむことはできません。同じ学校に通っているドイツ人などを見ると抗議の仕方などに勇気がわいてくるので、参考にしてもいいかもしれません。
前回、ダブリンへの短期留学の際にも大変お世話になり、今回は2回目の利用となりましたが、常に迅速で丁寧な対応をしていただけるので本当に心強い限りです。今回は特に、休暇申請が認められてから1ヶ月くらいで出発というタイトなスケジュールでしたが、柔軟に対応していただき、大変助かりました。どうもありがとうございました。
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